【恭加の「 THEATRE for ALL 」感想文】25「ネルケンライン@京都」
こんにちは。恭加 (きょうか) です。
恭加がご紹介する、バリアフリー オンライン劇場THEATRE for ALLの作品。
第25回は 「ネルケンライン@京都」の感想を書いていきます。
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この作品はドイツの振付家が作った、「ネルケンダンス」をダンサーだけでなく一般の方たちが参加して京都で踊る、練習から本番までの過程や制作の裏側を撮ったドキュメンタリー映像だ。
今回、作品の元となった「ネルケンダンス」だが、春夏秋冬のテーマが振りの中にあり、シンプルな振りをみんなでなぞりながら、一列に並んで踊るラインダンスだ。
撮影場所は京都で、京都の平安神宮を背景に、大人数でラインダンスを踊っている。
子どもらお年寄り、プロのダンサー、ダウン症の障害を持った方が参加している。
制作者は、バディウォークをやっており、ダウン症の子供といつもダンスをやっているので、今回ラインダンスをやりたいと思ったと語っていた。
障害を持った方は、普通の人とは違う扱いをされることが多い。
学校も普通の学校ではなく、特別支援学校や、普通の学校でも支援級などに登校しており、自分で選択をする機会がなかなかない。
そうすることで、自分でやりたいと意欲も減少し、もし意欲があっても受け入れてくれる場所も少ない。
だが、今回はテーマがあり、そこに専門とする人たちが関わり認めてもらえる晴れ舞台が用意されているのはすごくいいと語っていた。
確かに、障害者は隔てられている環境が多く、健常者と比べて選択をする機会が少ない。
就職の際も、仕事の幅、職種の選択肢が少ない。
9割の障害者が高校卒業後に進学をせずに就職に進む。
障害者が支援を受けながら通える進学先が無い自治体の場合、就職する選択肢しかないからだ。
女性も大学に行く人が増えて、選択肢を自分で決められるようになった。
お金が無くても、奨学金を借りることで大学に進学することができるようになった。
だが、障害者者は進学についての選択肢が少なく、諦めてしまうこともある。
もっと、障害者が選択のできる世の中になってほしい思うと同時に、
今回の様な、ダンサーをはじめ、お年寄りや子供、障がい者、いろんな方が集まることで、健常者も学べる場であり、障がい者も認めてくれる場が用意されるのは、とてもよいことだと思った。
そしてダンスについて。普通の振り付けとは違って細かく決まっていない。
普通、振りは角度やタイミングをみんなで合わせるのだが、このダンスは振りのイメージを伝えて、あとは自分の好きなように踊っていいという個性を重視にしたダンスだった。
すごく新鮮で、のびのびとしてして、だからこそ踊っている方々の表情がいきいきとしていた。
振付家の方も、言葉でイメージとして伝えることで、同じ振りなのに違った形になるのが面白いと語っていた。
ヨーロッパの各地で、いろんな方が一緒に踊っている動画をみて、これを京都でやりたいと思ったと語っていた。
京都の背景が後ろにある事で風情があり、この動画を見ているだけでお祭りを見ているような、京都を観光しているような、そんなワクワクした気持ちになった。