【恭加の「 THEATRE for ALL 」感想文】29 「エレクトロニコス・ファンタスティコス!」〜本祭I:家電雷鳴篇〜 和田永」

2022年7月11日

エレクトロニコス・ファンタスティコスイメージ 祭りのやぐらのまわりで演奏したり踊ったりする人々

こんにちは。恭加 (きょうか) です。

恭加がご紹介する、バリアフリー オンライン劇場THEATRE for ALLの作品。

今回は 「エレクトロニコス・ファンタスティコス!」〜本祭I:家電雷鳴篇〜をご紹介します。

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この作品は、2017年11月5日、東京タワー下で開催されたテクノロジーの供養と転生の為の「電磁盆踊り」を撮影した動画である。


「使われなくなった家電を楽器化して演奏する集団」の〈ELECTRONICOS FANTASTICOS!〉はアーティストの和田永氏が中心となり、参加者とともに工夫しながらブラウン管テレビ、扇風機、エアコン、ラジオ、ドライヤー等の古家電を改造し、役割の終えた電化製品を新たな楽器へと蘇生させオーケストラを形づくっていくプロジェクトである。

2015年に始動し、日本の三都市(東京・日立・京都)に制作拠点を設けて、そこに集う人々との交流を深めている。

電磁盆祭りでは、その古家電からリメイクされた楽器を使いバンドメンバーが演奏し、ヴォーカルが歌い、参加者が盆踊りを踊る。

日本の伝統的な盆踊りの目的である「死者を弔って祭る」を拡大し、捨てられゆく家電を供養して再生を祈るお祭りである。

私も音楽活動をやっていて、ミュージシャンの方に

「パーカッションプレイヤーは音が出るものであればどんなものでも楽器にする」と聞いたことがある。

人によって様々だが、椅子やフライパン、缶、お皿、段ボールなど、日常生活で使うものまで楽器として使うそうだ。

楽器というと、つい専門の職人によって創られた専門的な物という先入観にとらわれがちだが、

言われてみれば手拍子、歩く靴の音、ノコギリを引く音、何でも音楽に取り入れられそうだ。

なんでも楽器として使ってしまえば、「楽器」になるのだと思ったら音楽や楽器の見え方も変わる気がした。


動画で出てきた家電はそのまま叩くのではなく、参加者と改造して作ったものを弾いたり叩いたりしていた。

一番印象的だったのは、扇風機だ。

扇風機の丸い部分を下に向け、ギターの様に持っていた。

手に付けた小型の専用の機械のようなものを扇風機の丸い部分に近づけ音を出していた。

音量も扇風機に近づける距離によって変わるのだと思う。

扇風機を使った音は、ベースの音に似ていた。

扇風機からベースの様な音が出てきて、扇風機の演奏だけで曲が成り立っていてとても驚いた。


捨てるはずのものを、こうやってリメイクし、また違う用途で使うことができて、とてもエコで未来に優しい楽器だと思った。

楽器の種類が増えると音の種類も増え、さらに音楽の可能性が広がるのではないかと思った。


この動画は音声ガイドの他、字幕は日本語、簡単な日本語だけでなく英語、中国語、スペイン語、ポルトガル語があり、世界の人に楽しんでもらえる作品である。


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