【恭加の「 THEATRE for ALL 」感想文】41 「プックラポッタと森の時間」

2023年1月16日

「プックラポッタと森の時間」イメージ画像。木の上に登っている小人(プックラポッタ))

こんにちは。恭加 (きょうか) です。

恭加がご紹介する、バリアフリー オンライン劇場THEATRE for ALL新しいウィンドウで開くの作品。

2023年最初の作品紹介となる第41回はプックラポッタと森の時間新しいウィンドウで開く です。

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この作品は国内外の数々の映画賞を受賞してきた人気人形アニメーション作家八代健志氏が描く最新作である。

小人の人形を使って撮影した16分間のファンタジーであり、ドキュメンタリーのようでもある短編映像作品だ。


新型コロナウイルスで自宅待機を余儀なくされたあの年の春、

都会への通勤をやめ、田舎にある自宅でゆっくりとした時間の流れに身を置く主人公が見つけた小さな生き物に関する記録である。

「私」はある日、庭で不思議な生き物の痕跡を見つけた。

監視カメラを設置して調べてみると、身長15cmの小人が映っていた。

その小人に「プックラポッタ」という名前を付ける。


通勤をやめ自宅でゆっくりとした時間を過ごしていると、

子どもがカレーを作れるようになったり、子供が薪を綺麗に割れるようになったり、

一つ一つの小さな幸せを感じ取ることができるようになっていた。

どうしてもせわしない毎日に身を置いていると、小さな幸せを感じ取る余裕がなくなるが、

田舎にある自宅でゆっくりとした時間を過ごしていると感性が豊かになり、

小さな幸せにも立ち止まって感じ取ることができるようになると思う。

プックラポッタは当たり前のように人間の横で暮らしている生き物だが、忙しい毎日を過ごしていると気づくことができず、幸せを感じる感性がある人だけが見つけることができるらしい。

小さな幸せをプックラポッタに例えて表現していて、毎日の見えていなかった幸せを描く作品だと感じた。

小人が出てきたり、不思議で柔らかな世界観だが実在感もあり、

幸せとはなにかを見つめ直すきっかけとなる作品だと思う。


私も小さい頃、キャラメルの形をしたキャッキャという友達がいた。

一緒にゲームをしたり、いつも一緒にいた。

今思うと、想像上の生き物を作り上げてそこに居るという思い込みなのかもしれないと思うが、確かに私の友達だった。だが、大人になると忘れてしまう。

そんな想像の記憶なのか現実なのか自分でも判断のつかない不思議な記憶を持つ人も少なくないのではなかろうか。

この作品を観て、私も小さな頃にいた私だけの友達を思い出すことができた。

忙しいことが悪い事ではないが、忙しい毎日の中でもたまには立ち止まって

小さな幸せを感じる時間を作りたいと思ったし、そんな純粋な心を持つ人でありたいと思う。

ファンタジー作品ではあるが、大人が考えさせられる作品だと感じた。


この作品は日本語以外にも英語吹替があるので、海外の方にも楽しんでもらえる作品である。

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