【恭加の「 THEATRE for ALL 」感想文】44 「Fruits of Clouds」

2023年3月6日

Fruits of  cloudsトップ画像。フサフサくんたち

こんにちは。恭加 (きょうか) です。

恭加がご紹介する、バリアフリー オンライン劇場THEATRE for ALL新しいウィンドウで開くの作品。

第44回はFruits of Clouds新しいウィンドウで開く です。

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Fruits of Clouds  カテジナ・カルハーンコヴァー作


この作品は2019年に作られたカテジナ・カルハーンコヴァ作のアニメーションである。

登場するのは架空の生き物で、主人公は「フサフサくん」。

フサフサくんは仲間たちと暗黒の森の奥の空き地に巣穴をつくり、身を寄せ合って暮らしている。


彼らは何をするでもなく、どこからともなく飛んできて地面に落ちると赤い果実になる種を主食として、種の飛来を待ち、あとは寝て過ごしている。


説明がなく理由はわからないが、彼らたちは空き地を囲む暗い森を恐れていて自分たちのエリアから出ようとしない。


だが主食の豆は稀にしか飛来せず、彼らは常に空腹である。


フサフサくんは時々自分たちのエリアの外に興味を示すが、仲間たちは森に入ろうとするフサフサくんに「危険だからやめろ」と止めようとする。


このアニメーションには言語がなく彼らの言葉も架空のもので、観る人の言語環境や、年齢に影響を及ぼさない。


また耳が聞こえていても聞こえていなくても同じ意識で鑑賞できる作品とも言えるが、逆に目が見えない人は誰かに状況を説明してもらいながらの鑑賞でないと全く伝わらない作品でもあると感じた。


ある日空腹に耐えかねたのか、フサフサくんはみんなが寝ているうちに森の中へと入っていく。森の中は暗くてとても不気味だ。


ここで、作者は効果音にとても低い地響きのような重低音を使っているがこの重低音で森をより一層気味悪く感じた。


そして、これは私の想像でしかないけれど、この重低音は耳の聴こえない人にも振動として臨場感を与えようと意図されたものではないのかなと感じた。


もしそうであればとても良く考えられた作品だなと思う。


暗い森を抜けるとそこには一面に例の果実が敷き詰められている。


フサフサくんはその光景にとても喜び、その場所から自分達が生活をしているエリアまでの道に1つずつ果物を置いていき自分たちのエリアへと繋げた。


目を覚ました仲間たちは目の前のたくさんの果実を見て大喜びし、戸惑いながらも果物のある道を歩き始め、それをフサフサくんが影で見守る。


ここで物語は終わるが、きっと勇敢なフサフサくんのお陰で仲間たちは怖い森を克服しこれからは食料に困らずに生活することが出来るようになるのかなと思った。


この作品は約10分ととても短く、フサフサくんと仲間たちが愛らしく可愛い作品だが、観終わった後はなんだか優しい夢を見たようなほっこりした気持ちになった。


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