【恭加の「 THEATRE for ALL 」感想文】45 「スーパーミキンコリニスタ」
こんにちは。恭加 (きょうか) です。
恭加がご紹介する、バリアフリー オンライン劇場THEATRE for ALLの作品。
第45回は「スーパーミキンコリニスタ」をご紹介します。
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スーパーミキンコリニスタ 草場尚也
いつか主演をすることを夢見ているエキストラ女優ミキ。
25歳になる歳今年こそは成功したいと思っていたが、ある日現場でミスしてしまい事務所をクビになる。
心機一転、芸名を変えエネルギッシュに突き進む物語だ。
盗撮されたり、枕営業を持ちかけられたり、エキストラとキャストの差別をされたり、様々なハラスメントが描かれていて、エキストラの裏側をみることができた。
あるあるの連続で、観ていて他人事とは思えない、思ってはいけないと思った。
内容自体は裏側を描かれていて問題提起型の物語でもあると感じたが、
観たあとにほっこりするような、心が暖かくなる感覚がした。
個人的に、エキストラの後輩役の子が演じているシーンはすごく違和感のある演技なのにそれ以外の部分は自然な演技をしていたのが印象的だった。
最初はミキをみて、態度が大きすぎたり、勘違いをしていたり、後輩に向ける先輩面等、この人大丈夫?と思うくらい痛くて見ていられなくて何度も停止ボタンを押しながら観ていたが、おばあちゃんが亡くなって帰省したり、エキストラの後輩が同じ現場で役を貰っていたり、様々な壁を乗り越え徐々に変わっていき成長を感じた。
信じていた人に裏切られたり、差別をされたり、後輩に抜かれたり、それでももがき苦しみ、ただひたむきに真っ直ぐに頑張るミキを憎めず、純粋に応援したいと思った。
エキストラだけでは食べていけないのでミキはアルバイトをして生計を立てていた。
だが、アルバイトのお客さんから水商売のお仕事を持ちかけられ1度体験していた。芸能で生きていきたいと思っているけど、それだけでは食べていけず、アルバイトをしているものの撮影などのお仕事もあるからなるべく短時間で稼ぐことの出来る水商売を選ぶ人は沢山いると思うし、私もそんな人をみてきた。1度そっちに行くと戻って来れなくなるだろうし、芸能界で生きていくために上京して来たのに、何のために来たのだろう、何のために夢を目指しているのだろうと思う。
初心を思い出すこと、そして常に何のためにやっているのか という問いを持っていることが大切なのだろうと思う。
主人公がエキストラというのが珍しく、斬新な作品だと思う。
主人公と同じ年齢だったり、芸能界という場所にいるというところも、主人公と自分が重なる部分があった。ミキと同じ年齢でこの作品に出会うことが出来てよかった。