【恭加の「 THEATRE for ALL 」感想文】48 「カメラを止めるな!」
こんにちは。恭加 (きょうか) です。
恭加がご紹介する、バリアフリー オンライン劇場THEATRE for ALLの作品。
第48回は「カメラを止めるな!」 です。
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この作品は2018年ゆうばりファンタランド大賞(観客賞)を受賞するなど、
国内外で様々な賞を受賞しSNSで話題になり、当初2館のみの上映だったが300館以上で上映され爆発的にヒットした作品である。
バリアフリー音声ガイド版が世界初配信でTHEATRE for ALLに登場した。
山奥でゾンビ映画の撮影中、ヒロインの演技に納得のいかない監督は42回やり直しをさせていた。
撮影の休憩中、メイクさんが、撮影場所は戦後日本軍が人体実験をした場所だった、という話を女優と俳優にしている時、扉を叩く音がした。
扉が開かれ、本物のゾンビになった助監督とカメラマンが3人に襲いかかる。
やはりこの映画の見どころは37分のゾンビシーンがノーカットで撮影された所だと思う。
映像ものは普通はワンカットずつコマ撮りされる。だが、それがノーカットで撮影されているので、役者さん一人ひとりの演技がよりリアルに感じられる。映像ものというよりは舞台作品を見ているようだった。
だが、演技にはあまり興味がなく、作品の面白さで観たい人にはこの37分は面白みに掛けてしまうかもしれない。
しかし、前半の37分の伏線が後半一気に回収され、前半をしっかり観ておくことで後半が楽しめる作りになっている。
ここからはネタバレを少し含む内容になるが、
作品を観るまで「カメラを止めるな」はただのゾンビ映画だと思っていた。
だが、ゾンビ作品のワンカットの生放送という無茶ぶりを提案され、後半撮影の舞台裏が描かれる。
ゾンビ映画を撮影中にゾンビに襲われる。という設定の映画を撮っているところが描かれる作品だったのだ。
前半の37分は撮影された映像が流れ、後半は撮影の裏側が映されていて、仕事を舐めている女優、スイッチが入ると大暴走をしてしまう元女優、アルコール中毒で仕事中にお酒を飲む役者、硬水を飲んだらお腹を壊す人など、癖の強すぎる出演者たちに監督は振り回されている。ゾンビ映画ではなくコメディの様な作品だった。
ゾンビの撮影中の役と、後半そのゾンビ映画を撮るまでのシーンの役は全く違うキャラクターに設定されていて1人2役しているようにみえた。一人一人の演技力が高いからこそできる演出なのだろうと思ったし、どの役者さんもキャラクターが際立っていた。
またゾンビものをワンカットで撮ろうとする発想がすごいと思った。
この作品はバリアフリー音声ガイド、日本語字幕、英語字幕で鑑賞することが出来る。