【恭加の「 THEATRE for ALL 」感想文】52 「シバ兄とニャン君」

2023年7月3日

シバ兄とニャン君トップ画像 「2019NASU AWARD グランプリ受賞作品、台湾の気鋭の監督江宋傑の着ぐるみ?ドラマ」の文字。」

こんにちは。恭加 (きょうか) です。

恭加がご紹介する、バリアフリー オンライン劇場THEATRE for ALL新しいウィンドウで開くの作品。

第52回はシバ兄とニャン君新しいウィンドウで開く です。

ー-------------

この作品は台湾の気鋭の監督・江宗傑の作品であり、2019NASU AWARD グランプリ受賞作である。


子どもたちの間で大人気の番組である「シバ兄とニャン君」は青年と男の子が犬と猫の着ぐるみを着て出演する番組だ。

犬の着ぐるみを着た青年シバ兄と猫の着ぐるみを着た男の子ニャン君はまるで百科事典の様に子供たちの質問に答えていく。

だが二人はある問題を抱えていた。ニャン君はお母さんが出て行ってしまい、会いに行きたくても勇気が出ない。

シバ兄はある人物と不倫関係にある。

ある日週刊詩に「ニャン君はただの商売道具」「シバ兄は男の愛人?」と報道されてしまう。

ひとつの旅をきっかけに、ふたりの心の奥底に眠っている“井戸”が掘り起こされる。


犬の着ぐるみを着た青年と猫の着ぐるみを着た男の子が歌って踊っているシーンから始まったので、

子供向けの作品かと思ったら、自分自身が抱える問題が生々しく表現されていた。


ニャン君がシバ兄にお願いをしお母さんの家に連れていてもらったとき、

家の中から子供の声がしていた。

お母さんが家出をするとき自分を連れて行ってくれなかったこと。

子どもができたら自分のことなんか忘れているのか。

そんな不安に陥っているニャン君をシバ兄は大丈夫大丈夫と慰めていた。

ニャン君のお母さんがなぜ家出をしたのか理由は描かれていなかったが、

もしシバ兄のような不倫が原因での家出だったとしたら、家庭を壊されたニャン君と家庭を壊したシバ兄の対比が描かれた作品なんだと思ったし、

ニャン君を慰めているときシバ兄はどんな心情なのだろうかと思った。


後半で明らかになったのが、週刊誌に不倫騒動を密告したのはシバ兄自身だったのだ。

不倫相手との愛を証明したかったと。

だが、騒動のせいで家族がバラバラになったが娘を捨てられない、と不倫相手は家族を選んだ。


この作品に置いて2人の間に起きていく事を「井戸」といっているのがとても気になった。

井戸とは何なのだろう?

その答えにもう少しで手が届きそうなのに届かない、そして私は元々その答えを知っている。

何故かそんな気にさせられた。


この作品は台湾で作られた作品の為言葉が台湾華語であるが、日本字幕、バリアフリー日本語字幕、バリアフリー音声ガイドで観ることができる。

様々な環境で観ることができアクセシビリティに配慮された作品である。

関連リンク

ページトップへ移動