【恭加の「 THEATRE for ALL 」感想文】57「7日間のままごと」

2023年11月6日

7日間のままごとトップ画像。学校の体育館のステージを囲む5名

こんにちは。恭加 (きょうか) です。

恭加がご紹介する、バリアフリー オンライン劇場THEATRE for ALL新しいウィンドウで開くの作品。

第57回は「7日間のままごと」新しいウィンドウで開く です。

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2022年の秋に、劇団「ままごと」が小豆島で行った短編の公演『あゆみ(短編)』と豊島で行った公演『反復かつ連続』の本番前後7日間を映したドキュメンタリー映画である。


『あゆみ(短編)』は長い紙を敷いて、その上を歩いている時は物語を演じている、紙から外れた時は演じていないという珍しい演出だった。

そして劇団員4人が2つの役を交互に演じる。4人ともどちらの役も演じ、尚且つ今私はどっちの役をやっているという目印のようなものはない(字幕では役名は書かれている)が、誰がどの役を演じているのか分からなくなる事は無かった。

2つの役柄が対極にあり全く違うキャラクターだと言うこともあるが、さすがプロだと思った。

キャラクター設定はもちろん統一されているが、4人みんな容姿が違えば声のトーンも違う。人が変わるだけでこんなに見え方が変わるんだとも思えたお芝居だった。

紙の上を歩きながらお芝居をしているので、向かい合わずに演技をしていた。演技は会話、感情のキャッチボールが大切であるが、キャッチボールになってない部分があって、そこも含めてこの舞台の楽しみ方なんだろうと思った。


『反復かつ連続』では、ロープの中に入っている時だけ演じているという設定で進められる。

主に演じるのは1人だが、5つの役を演じる。最初に女1を演じ、次に女2を演じる時には女1の声がスピーカーから流れてくる。その次に女3を演じる時には女1と女2の声がスピーカーから流れている。これを何度か繰り返すという演出だった。全て同じ人が演じているのに全く違う人で、役の引き出しが多くまた一つ一つの役が自然な演技だった。


私は今演技のレッスンに通っている。演技の私の目標は、「役の引き出しを増やす」ということだ。

なのでこの作品を見て個人的にとても勉強になる動画だと感じた。


その島出身の役者だったり、現地に住んでいるおばあちゃんを起用したり、体育館や公民館のようなところで公演をやっていたり、私がよく知る舞台とは少し違うところもあったが、アットホームな雰囲気で島ならではの公演だと思った。


公演の本番前後7日間を映したドキュメンタリーなので、島の人との触れ合いも少しだけ映されている。島のおばあちゃんが釣った魚を煮付けにして渡している所が映っていて、すごく暖かい場所だということが伝わってきた。


この作品はアクセシビリティ無しと、バリアフリー字幕の2パターンで観ることができる。

私も一部分だけ音が出せない環境でこの作品を見たが、バリアフリー字幕だと音無しでもしっかり楽しむことができた。

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