【恭加の「 THEATRE for ALL 」感想文】58 「Left and Right」

2023年11月20日

「Left and Right」トップ画像。ダンサー、ピアノを弾く人、手話で話す人のコラージュ写真。

こんにちは。恭加 (きょうか) です。

恭加がご紹介する、バリアフリー オンライン劇場THEATRE for ALL新しいウィンドウで開くの作品。

第58回はLeft and Right  Molly Joyce, Jerron Herman, Max Greyson, Austin Regan新しいウィンドウで開く です。

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この作品は、3人のアーティストによる作品である。

3人のアーティストは、

交通事故により左手に障害を持ち、障害を創作の源泉とする作品を発表しているミュージシャンのMolly Joyce、

Kinetic LightのWIREDのコラボメンバーでもあり、ダンスとテキストで歓迎を促す活動をしている障害者アーティストのJerron Herman、

コンテンポラリーダンスや音楽劇において、視覚障害者のための音声説明やその他の形態のアクセスの美学を芸術的に統合するための方法を開発。また、音楽劇の制作、社会的な芸術プロジェクトの共同制作、アーティストのインクルーシブな実践を支援するARType vzwの芸術監督も務めているアントワープ生まれの詩人、パフォーマー、シアターメーカーMax Greysonの、それぞれジャンルが異なるアーティストでである。

この作品は、アメリカ手話により作中の音楽と歌詞が表現されている。

物語は、事故により左腕に障がいがあるパフォーマーのジョイスが伝統的に呪われた暗い左半身と、癒しと恩恵をもたらすと考えられていた右半身との関係を探求している。この作品は、ダンス、音楽、詩的描写という異質でありながら相乗効果のある分野を通して、二元論と非対称性に関する普遍的、現代的、個人的な視点を統合し、対立させているらしい。

画面が左右二分割され白い背景をバックに黒い服を着たパフォーマーが登場する。

演者のダンスが現時点で即興なのか創作物なのかも分からないが、どうやらダンス、演奏、手話が連動しているようだ。

左手に障害を持つ演奏者Molly Joyceの左手は音階というよりSEの印象なのかもしれないが、見事に音像の低音部を担っている。

それと前後して演者の右手が掴もうとした左手がそれを拒否する。

その後何度か舞台を転換しながら物語は進んでいく。

どうやら左は臆病や自己否定、制約、痛みといったネガティブなものの象徴のようだ。


また、背後で流れる歌の歌詞がとても重要な意味を持っている。

というよりその歌詞が状況の説明や葛藤、様々なものの答えであるかのようだった。

(のちに歌詞は演者のビジョンを芸術的に表現する解説であり画面に映る内容を必ずしも正確に解説するものではないとの注釈が入る。)


後半に行くに従い音、演者、手話に調和が見えてくる。

同時にそれは左手が右手を受け入れた結果のようでもあった。


人は誰でも自分の中の2人の自分が葛藤する瞬間があると思う。

私もよくある。

昨日は肉を食べるかお好み焼きを食べるかで揉めている自分がいた。


この作品は海外の作品のため言語が英語だが、日本語字幕でもみることができる。

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