【恭加の「 THEATRE for ALL 」感想文】第63回「「歌」をARと手話で伝えていく TRANSLATION for ALLの挑戦」

2024年2月12日

「「歌」をARと手話で伝えていく TRANSLATION for ALLの挑戦」トップ写真。「歌」をARと手話で伝搬するとは?那須映里(手話エンターテイナー)、小林幸子(歌手)、鎮座DOPENESS(ラッパー)の文字

こんにちは。恭加 (きょうか) です。

恭加がご紹介する、バリアフリー オンライン劇場THEATRE for ALL新しいウィンドウで開くの作品。

第63回は「歌」をARと手話で伝えていく TRANSLATION for ALLの挑戦新しいウィンドウで開くです。

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いつでもどこでもiPhoneから観ることができ、360度どの方向からも立体的に楽しめるAR技術を活用した立体的なパレード、AR三兄弟による「文明単位のラブソング」


このパレードの先頭を引っ張るのはあの小林幸子である。そしてこの作品は、身体表現の翻訳を考えるフェスティバル「TRANSLATION for ALL」の公式作品として手話版も公開となった。


最新のAR技術を活用したパレード「文明単位のラブソング」手話版の制作を機に集まった歌手の小林幸子、手話エンターテイナーの那須映里、そしてラッパーである鎮座DOPENESSがこの作品について振り返り、対話をしているコラムである。そのパレードの動画も視聴することが出来る。


はじめに動画を観た時、歌を手話で表現しているところのラップの部分の手話がすごく滑らかで、手話というよりダンスをしているように見えた。


その後コラムを読んでみると、

「ろう者が観て『ラップだ、楽しい』と一緒に乗れるようにダンサーの方に手話をして貰った。

ラップの韻を踏むところに手話をどうやって入れていくかというのを考えるのが工夫した点だ」と語っていた。


音がなくても見ていて楽しいと思ったし、こんな手話を私は初めて見た。

手話は言葉を伝えるためのものだと思っていたが、そうではなかった。テンションやリズムも手話で表現することができるのは驚きだった。


ラッパーの鎮座は

「ラップは手話を音楽に当てはめるとどうしても長くなってしまい音が足りなくなる。ラップは特に情報量が多いから大変だ」と語っていた。


私も歌詞を書く時、書きたいことを曲に当てはめると音数が足りなくて言葉を削ることにすごく悩んだ。その削られて作られる歌詞よりもさらに削らなくてはいけないのはかなり大変な作業だと思う。また手話のタイミングが少しズレると意味が変わってしまったり、本来の意味が伝わらなかったりするようだ。


だが、この手話はろう者がみても、手話を勉強したことがない聴者がみても楽しいと思う手話だと思った。


また、「思い出酒」など、ふたつの単語が繋がってひとつの単語になっているもので、さらに手話に無い言葉だったら伝えるのが大変だと思う。歌詞は日本語にない言葉を言葉にしているものや抽象的な表現が多いから、普通の会話を手話で話すよりも歌詞を手話で伝えるのは難しいと思うが、その言葉を手話でどう表現するのか、考えるのも面白いと思った。


AR3兄弟の作品は以前にも観させてもらっているが、発想が柔軟で毎回新たな可能性を感じさせてくれる。

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