【恭加の「 THEATRE for ALL 」感想文】第64回「【100の回路】全盲のフィールドワーカー広瀬さんに聞く「無視覚流」のすすめ」

2024年2月26日

「【100の回路】全盲のフィールドワーカー広瀬さんに聞く「無視覚流」のすすめ」トップ写真。「触常者として生きる」という本を手にする廣瀬さん

こんにちは。恭加 (きょうか) です。

恭加がご紹介する、バリアフリー オンライン劇場THEATRE for ALL新しいウィンドウで開くの作品。

第64回は「【100の回路】全盲のフィールドワーカー広瀬さんに聞く「無視覚流」のすすめ」新しいウィンドウで開くです。

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今回ご紹介するのは【100の回路】シリーズの第1回である。

【100の回路】シリーズとは、

 色々な人が劇場にアクセスできるような道や回路を増やしていく活動や、様々な身体感覚・環境・価値観、立場の方へのインタビューから、人と劇場をつなぐヒントとなるような視点を、“まずは100個”収集するというものだ。


第1回のゲストは全盲のフィールドワーカー広瀬浩二郎さん。広瀬さんは様々な人がその文化、価値観、身体、言語をバックグラウンドに楽しさを共有できるようなミュージアムの実践研究に長年 関わってきた。舞台芸術作品や劇場へのアクセシビリティを高めるための視点に基づき、主にテレビの副音声や視覚障害者のダンスについて話をしている記事である。


劇場などのアクセシビリティと聞き、まず 劇場内の車椅子席を思い浮かべた。しかし、広瀬さんの話に出てきたイエロー・アース・シアターという劇場と視覚障害を持つパフォーミング・アーティストの集団「エクスタント」のコラボ作品「Flight Paths」では音声ガイドを作品の一部として利用することで障害の有無に関係なく情報や作品を共有できるとのことで、興味をもった。


正直に言えば私は普段の生活の中で音声ガイドを使うことはほとんどないと言っていい。音声ガイドが必要な人との感覚の壁みたいなものを感じてしまったりもした。


だからこうやって感覚や聴覚を共有する試みはとても有意義な気がした。

確かに映画等をみているとき、どうしても画面全部を把握出来ないことがあり、見落としたり、理解しづらかったりする部分がある。とくに推理ものだと敢えて分かりづらく作られているものもあるが、謎を解くヒントを見落とすことがあるので、音声ガイド付きで作品を見ることにより、作品をより深く理解できる。


広瀬さんはTVドラマ「相棒」の副音声がお気に入りだとも話している。

副音声をそういう観点で聴いたことがなかったのでなるほどなと思った。

副音声ではないがTV局や番組で付属サービスに違いを感じたことはあるので「副音声がある=○」という価値観ではなく実際に使ってどうかという見方はとても大事な気がした。


その上で副音声ならではの面白さがあるのであれば副音声自体の新しい使い方も見つかりそうな気がするし、音声ガイドを使用する人と使用しない人の間の壁は無くなるのでないかと思った。


また、広瀬さんは視覚障害者のダンスについて視覚を使わない自由と表現していた。

ステージで歌を歌っていると不意に横切ったお客さんや会場の設備などに意識を奪われてしまって集中が切れてしまったり歌詞が飛んでしまう事があったりするので広瀬さんの言う「視覚を使わない(視覚に頼らない?)自由」という表現は分かるような気がしたし魅力的にも感じた。


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