【恭加の「THEATRE for ALL 」感想文】第65回「【100の回路】写真家尾崎さんに聞く、世界の見方と伝え方」
こんにちは。恭加 (きょうか) です。
恭加がご紹介する、バリアフリー オンライン劇場THEATRE for ALLの作品。
第65回は【100の回路】写真家尾崎さんに聞く、世界の見方と伝え方です。
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日本視覚障碍者芸術文化協会 Art For the Light (AFL)副会長で、写真家の尾崎大輔さんのインタビューを記した山川陸さんのコラムである。
100の回路とはアクセシビリティという視点で人と会場を繋ぐ事を表しているそうだ。
昨今アクセシビリティやモビリティというワードをよく耳にするが、正直なところ、日常でほとんど実感することがない。
こうやってさまざまな作品を目にしてコラムを書いていなかったら私も意識する事はなかったかも知れない。
今回の100の回路は日本点字図書館を訪問した際に長岡館長から伺った「目の視えない人向けに写真ワークショップを行う写真家がいる」というご紹介がきっかけだそうだ。
言われてみれば今は目の見える見えないに関わらずスマホを持っている。
そう考えると、尾崎さん同様「眼の見えない人の撮る」写真というものに興味がわいてきた。
写真家尾崎さんが写真を学んだのは、ロンドン。
人間ってなんだろう、と考える中で、刑務所を訪問したり、不法占拠で街に暮らす人に出会ったり、様々な人を撮り歩く中で出会ったのが、様々な種類の障害や性自認や人種、様々な人が集まり作品を発表してきたアミキダンスシアターカンパニーだったそう。
そこで視覚障害のあるカンパニーメンバーと出会いが大きかったと尾崎さんは語る。
サニーバンクのコラムを書くようになってよく感じるのが、発想や興味の発端に人との出会いがあることがとても多いということだ。
よく耳にする「アンテナ」というのはニュアンスこそなんとなく分かってはいたが、突き詰めると人との出会いを察知する能力のことなのかもしれないと思ったりする。
また、弱視のように人によって”視えない”の程度が違うケースは難しいと尾崎さんは語ってる。 これも様々な作品や人がよく口にする事だ。
難聴や弱視等は障害者、健常者どちら側からも違う見方をされがちなように思える事がよくある。
「盲学校には卒業アルバムがないんです。もちろん、修学旅行や行事の記録写真を撮ってくれるカメラマンもいない。熱心な先生がいる学校では個人的に撮影して現像することもありますが、盲学校にはそもそも写真に残すという考えがない」と尾崎さんは語っていた。
家族や周りの人にとってもそれは寂しいなと感じた。 一方で尾崎さんはこうも言っている。
「映画のように音や時間が写真にはないけれど、その制約の中だからこそ考えられることがあるんです。」
一度尾崎さんの作品を見に行ってみたいと思った。