【恭加の「THEATRE for ALL 」感想文】第68回「きゃんと、すたんどみー、なう。 やしゃご」
こんにちは。恭加 (きょうか) です。
恭加がご紹介する、バリアフリー オンライン劇場THEATRE for ALLの作品。
第68回は「きゃんと、すたんどみー、なう。 やしゃご」です。
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舞台は三人姉妹がが住む一軒家である。
長女は知的障害者があり、三女が主にこの家を仕切る。次女が結婚し新居へ引越しをする日、引っ越し業者とともに作業をする姉妹たち。
そこに、長女と結婚したいという男が現れる。
結婚したいという男は長女と同じ施設に通う知的障害者だった。妹2人は反対をするが、長女と長女の相手の2人は決してそれを受け止めない。
「障害者基礎年金があるから大丈夫です。」「のぞみの会のお金があるから大丈夫です。」と男はいうが、実際に生きていくのにはもっとお金が必要である。
妹は「今まで周りの人みんなが助けて生きてきたのに二人で行きていくの?」
「誰がふたりが買いたいもの買うの?」
「2人がいきなり外で怖くなったら誰が助けるの?」と問うがそれでも賛成しない。
男が帰ったあと、亡くなった母が妹の前に現れることで、妹の考えが変わり長女の結婚を許す。その直後、電話で男が車に跳ねられたと連絡が来る。妹2人は長女にその事を伝えられず、長女は男に会うための身支度を始める。
私がいちばん印象に残ったのが、「普通ってなんだろう」という言葉と「障害者と健常者にはガムテープぐらいの線引きがある」という言葉だ。
障害者という言葉と健常者という言葉があるように、線引きをすることがある。今の日本ではそういう線引きをしないと生きていくのが大変になのかもしれない。
私もそういう言葉を使うことあるが、実際は障害者と健常者に線引きはないと思う。
誰にでも苦手なことや出来ないことはある。そのグラデーションが濃いか薄いかであって、明確にここからここまでという線引きは難しいと思う。
だが、線引きをしないと生きづらい世界になってしまう人たちがいるから線引きをしているのだろう。
最近、私も「普通って何だろう」と思う。
私自身 変わっていると言われることが多いし、たくさん忘れ物をするし、少し前の記憶が無くなることがあるし、スーパーでお会計をした後にスーパーのカゴのまま持って帰ってしまった事もある。
たまに行きづらいと思うことはあるが、この私の性格を好きでいてくれる人がたくさんいて、それが私であり個性である。
誰もが生きやすい世界になるのは難しいことなのかもしれないが、そこに少しでも近づける世界になって欲しいと思った。
この作品も誰も悪くないのに互いを傷つけ合ってしまい、見ていて辛くなる部分もあったが、普通ということについてたくさん考えさせられる作品だった。
この作品はYouTubeで無料で観ることが出来る。そしてオリジナルの他、日本語バリアフリー字幕と音声ガイドでみることもできアクセシビリティに配慮された作品である。