【恭加の「THEATRE for ALL 」感想文 番外編】厨房のありす 8話 「きみも大事な“家族”」
こんにちは。恭加 (きょうか) です。
2024年1月~3月に日本テレビ系で放送していた「厨房のありす」」の感想文。
今回は第8話です。
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この作品は街の小さな料理店「ありすのお勝手」を中心に生きづらさを抱えた人々が織り成す少し切なくて暖かいハートフルミステリーである。
倖生(こうせい)は父が横領の罪を着せられ自殺したこと、
五條製薬の研究所の所長だった父・晃生(あきお)が
「横領の罪を被れば家族の生活は保証する。もしバラせば家族、息子の安全は確保できない」と脅されていた事を知る。そして、自分のせいで父は自殺したと思い、ショックを受ける。
倖生は父に憧れていて自分も同じ職業につくと言う。
自分が父を尊敬したことで、父を死に追いやったのでは無いかと自分を責めてしまう。ありすに心配をかけまいと無理やり元気に振る舞う倖生。
ありすがリラックスさせようと水族館に一緒に行くが、倖生はリラックスするどころか終始 元気そうに振舞う。
ありすが「嘘の笑顔は嬉しくない」と伝えると、倖生から「ありすに俺の気持ちはわからない」と言われて二人は喧嘩をしてしまう。
和紗の夫の金之助は息子のために学校でウサギ小屋をつくるが、倒れてきた木材が腕にあたり、腕の骨にヒビが入る。
倖生は息子にいい姿を見せたくて無理をして作業を進めようとする金之助の姿と自分の父の姿を重ね、「後遺症が残った時、息子は自分のせいだと思ってしまう」と、怒る。
倖生のことを好きなライバル百花が、「以前ありすに対して失礼なことを言ったから」と謝罪をしに店に来る。
ありすが「自分は空気が読めないし、倖生に相応しくない」と百花に伝えると、「空気が読めないとか言うけど倖生の世界にはあんただけじゃないから1人で全部背負う必要は無い」と言われる。
それにヒントを得て、ありすはおでんの屋台を開き、和紗の夫や倖生などを呼ぶ。
野菜は加熱することによって味が染みるが、練り物類は加熱することによって汁の方に味が出る。おでんは卵だけでも大根だけでも練り物だけでも成り立たない。具材が助け合っておでんになる。それと同じで1人で背負わなくていい、とありすは和紗の夫に伝える。
いつも守られてばかりで、空気が読めず、相手がどう思っているのかわからないはずのありすが、倖生のカラ元気に気づいたり、自分よりも倖生のことを考えるようになったり、人に影響を与える立場になっていたのが印象的だった。
倖生も、最初は生きることを諦めているのかと思うぐらい感情が無に近いように見えたが、感情が爆発して怒鳴ったり、気持ちをちゃんと伝えようとしていたり、と、またひとつ2人の成長をみることができた。
出来ないことは誰かに任せて、自分は自分が出来ることをやればいい。生きづらさを抱える人達を描く作品だからこそ、この作品を観てるともっと楽に生きていいんだよって言ってもらえる気がした。
生きづらさを抱えている人に観て欲しい回だった。
ドラマの放送は終了しているが、この作品はHuluで全話観ることができる。