【恭加の「THEATRE for ALL 」感想文】第70回 地域みんなで、取り組むアクセシビリティ。公共・劇場にできること、やっていくべきこと【障害のある人と考える舞台芸術表現と鑑賞のための講座】

2024年9月23日

地域みんなで、取り組むアクセシビリティ。トップ画像。舞台上でラフな服装でいろいろな楽器を演奏する人たち

こんにちは。恭加 (きょうか) です。

恭加がご紹介する、バリアフリー オンライン劇場THEATRE for ALL新しいウィンドウで開くの作品。

第70回はコラム「地域みんなで、取り組むアクセシビリティ。公共・劇場にできること、やっていくべきこと【障害のある人と考える舞台芸術表現と鑑賞のための講座】」  新しいウィンドウで開くの感想です。

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地域みんなで、取り組むアクセシビリティ。公共・劇場にできること、やっていくべきこと【障害のある人と考える舞台芸術表現と鑑賞のための講座】

ある上映会に協力した3つの劇場の担当者に自身の施設でのアクセシビリティの取り組みや課題、そして、上映会に協力した際の感想や考えたことを聞いているコラムである。


このコラムを読んで私がまず施設でのアクセシビリティとして思い浮かんだのは耳の聞こえない人に対しての字幕、目の見えない人に対しての音声ガイドだ。

出来るだけポータブル字幕機と音声ガイドを付けるようにしているが、全ての項目に対して行うのは厳しいようだ。

というのも、台本が完成するタイミングから字幕を作成すると、本番までの準備が間に合わない。

私も以前出演させていただいたた舞台は台本が出来上がるのが本番の約3週間前。さらに本番直前に台本が変わったりもした。それだと字幕の準備は間に合わないかもしれない。

また、暗転時(舞台上が暗くなるとき)のポータブル字幕機の光漏れについて。舞台上では暗転中に移動したりするので光が漏れると暗転中の動きがに見えてしまう。

障害のある方を優先する回を作ったりしているが、公演数が少ないとそれも出来ないことがあるようだ。

そしてポータブル字幕機や音声ガイドを付ける費用も問題である。

規模の大きな公演なら問題ないかもしれないが、いわゆる小劇場と呼ばれる場所での公演だとそこまで費用が回らないというのもあると思う。

劇場の担当者の中に、障害のある方や外国人の方、海外にルーツのある方などにも参加していただける演劇の創作事業にも取り組んでみたい、と語っている方がいた。これまでは年齢以外で対象者を限定することはなかった。それは障害のある方や外国の方が限定の対象になると思っていなかったからだそうだ。

多様な人たちと一緒に演劇を創作できる事業をやりたいという思いはずっとあるからなんとか形にしていきたいと語っていた。


以前私が出演させていただいた舞台でも、劇場の中は段差がたくさんあった。通路が中央や座席後部にあることが多いため、前列にいくほど階段を降りなければならない。車椅子には乗ってないが杖をつきながら歩いている方が前の方の席になっていたが、その日は満員で席を変えてもらうことも困難だった。一人で来ていた上にスタッフの方も忙しかったのか、杖をつきながら1人で階段を降りていたのを楽屋のモニターでみていた。私たち出演者は付き添うこともできず、どうすることも出来なかった思い出がある。車椅子席はあったが車椅子の方は席が決められていて好きな席や良い席で見ることができない。

また舞台ではマイクがなく地声なので、声を張りづらい静かなシーンでは耳が聴こえにくい人からすると聞き取れないところもあったのではないかと思う。

大きい劇場ではないからマイクが無いのが当たり前だという文化みたいなものがあるが、マイクがつくと静かなシーンでも声が聞き取りやすいと思う。だがこれも費用的な問題で厳しいのかもしれない。


コラムの中で劇場の担当者が障害がある人に対してサポートを提供するだけでなく、ワークショップなどの講師側に回っていただいたり、お互いに学び合えるようなプログラム制作にも今後は取り組んでいきたいと語っていた。

障害がある人はサポートを提供される側に立つことが多いと思うが、講師として当事者だから思うことを教えてもらいながら一緒に作りあげていくことの方がアクセシビリティに配慮された作品を作り上げやすいと思う。さらに障害当事者も演者側に参加できる世の中になって欲しいと思う。

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