【恭加の「THEATRE for ALL 」感想文】第74回「ヒューマン・ビギン:アシタナニスル?」
こんにちは。恭加 (きょうか) です。
恭加がご紹介する、バリアフリー オンライン劇場THEATRE for ALLの作品。
第74回は「ヒューマン・ビギン:アシタナニスル?」です。
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ヒューマン・ビギン:アシタナニスル?
監修:辻本知彦、菅原小春
この作品はバックグラウンドの異なる16歳から22歳の参加者9人が、ダンサー・振付家の辻本知彦と菅原小春とともに森ビルが運営する街のなかで「自分らしさ」をダンスで表現していく映像作品である。
監督の辻本知彦氏はシルク・ドゥ・ソレイユに日本人男性初のダンサーとして起用され、2011年からは「マイケル・ジャクソン ザ・イモータルワールドツアー」に参加。 2010年には森山未來とパフォーマンスユニット・きゅうかくうしおを結成。
NHK2020応援ソング「パプリカ」の振付を菅原小春と共作する。そのほか振付提供作品には土屋太鳳が出演したSia「Alive」日本版MV、「LOSER」をはじめとする米津玄師のMVやライブツアー、「ポカリスエット」「UQモバイル」のCMなど多岐にわたる。
辻本さんは
「伝えた事といえば自ら考える力を手助けしただけです。 あとはありのままに話し合い、身近に触れ合っただけだと思います。
そしてプロセスを大切にして皆さんと過ごしました、その結果は必ずどんな結果になろうともいいものになるはず、と、ただそれだけです。」
と語っている。
船のおもちゃが海岸に打ち寄せられるところからこの映像は始まる。 波が寄せてきて音声が止まり映像は池のような場所に移る。
赤い服の男の人が木の箱の上で踊っているようにもしがみついているようにも見える。
見ていると素足に履いていたであろう靴下の痕があるのが目についた。
そしてこの男の人は乗っていた箱から落ちて?降りて?木陰で何かをしているが私にはのたうち回っているように見えた。
この男の人にとってこの木の箱は対峙するなにかの象徴なのだろうか。
この時点で映像の半分の時間が経過しているが場面変化はない、と思っていたところで「私は」という音声とともに場面が変わり女性が広場にいる。
「変わらないもの」という音声とともに再び画面が変わり別の男の人が現れる。
どうやらこの音声が伝えてくる断片的な言葉は彼らの内面を表現しているのではないか、とやっとわかった気がする。
そしてそれぞれの人がそれぞれの場所でさま様なまにダンスを踊り始める。
場面は最初の海岸に戻りダンサーたちは並んで立っているて段々に交わりながら何かを表現していく。
そして砂に「ヒューマンビギンアシタナニスル?」と文字を書き映像は終わっていく。
とても抽象的でストーリーのない難しい作品だったけど生きるっていうことや何かを始めるってもしかしたらみんな同じように形のない葛藤の中でもがいてるのかもしれないと感じさせる作品だった。
※辻本知彦氏の「辻」のしんにょうは点1つです。環境によっては点2つで表示される場合があります。