【恭加の「THEATRE for ALL 」感想文】第75回「障害のある人と共に、舞台芸術の場をつくっていきたい実践者のための講座レポート【視察研修編 前編】」
こんにちは。恭加 (きょうか) です。
恭加がご紹介する、バリアフリー オンライン劇場THEATRE for ALLの作品。
第75回は「障害のある人と共に、舞台芸術の場をつくっていきたい実践者のための講座レポート【視察研修編 前編】」です。
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障害のある人と共に、舞台芸術の場をつくっていきたい実践者のための講座レポート【視察研修編 前編】
※このコンテンツは映像等の作品ではなく、報告書です。
文化庁委託事業「令和5年度障害者等による文化芸術活動推進事業」として、一般社団法人DRIFTERSINTERNATIONALが主催し、約半年間にわたって実施された「障害のある人と考える舞台芸術表現と鑑賞のための講座」。
今回は、令和5年度の企画実践編で行われた、全国の福祉施設への視察研修の様子について書かれているレポートについてのコラムである。
視察研修は、「入門編」と 「企画実践編」で2つのコースを同時並行で行った。
「入門編」では、障害当事者との創作現場で必要な視点や考え方などを学ぶ基礎講座。幅広い参加者を募り、オンライン講座と上映会を開催した。
「企画実践編」では、オンライン講座、全国各地の福祉施設への視察研修とグループワークによる企画立案プログラムから構成される。劇場や美術館、博物館などの文化施設で働く人、アートに関わるつくり手、福祉施設で働く人。それぞれが現場を視察し、さまざまな分野の参加者同士で刺激しあい、共に考え、学び合うことを通じて、自分の現場にもちかえって、アクションを起こすことができるようになるまでをサポートする内容だったとのこと。
このレポートで障害者が働く数カ所の場所について書かれていた。
その中でも特に印象的だったのが、
「どんなに重い障がいがあっても『働くことは権利』である」 という言葉を大切にしている、埼玉県川口市にある川口太陽の家・工房集だ。重度の障害のある方 たちが自分らしく働く場づくりに力を入れている福祉施設である。
設立当初は雑巾づくり、缶プレスなどの軽作業を中心にしていたが、ある女性がその仕事を拒否し、この女性はどんな仕事だったらやりたいのか、と女性を観察した上でお祭りのポスターの絵を依頼したところ、喜んで描いてくれた。
これが表現活動の原点になったそうである。
川口太陽の家では、現在 絵画、 織り、ステンドグラス、身体表現などの表現活動の幅を広げ、現在57名 程の方が通っている。
「どうやってその人の表現を見つけるんですか?」という質問に対して、施設のスタッフは
「すぐにその人の表現が見つかる場合もあれば何年かかかる場合もある。観察して、この人にこれをやってもらったらどうだろう?あ、違った。これはどうかな?と試行錯誤していくことが多いですね」と答えた。
私も今までいろいろな場所で働いたことがあるが、自分の得意・不得意や好き・嫌いを考慮せず仕事を振り分けられたりすることがあった。
その都度「お給料が発生しているからしょうがない」と飲み込んでいたが、健常者に対しても可能な限り個人個人にあった仕事を振り分けられれれば、多くの人が働きやすい環境で働くことができるだろう。
自分が何が好きなのか、何をやりたいのかを知ることは簡単なようで難しいことだと思う。
川口太陽の家のように自分の好きや得意を一緒に探してくれる人達と一緒に仕事が出来る環境にいられるのは本当に素晴らしいことだと思った。
出来ることを仕事にしている人は多いと思うが、好きなことを仕事にしている人の数は少ないと思う。全てがいい事だとは思わないが、好きを仕事にしている人はキラキラしてるのできっとここの職場で働く人たちもキラキラした目をしているのではないかと思った。
「障害のある人と考える舞台芸術表現と鑑賞のための講座」は令和6年度も引き続き、開催されることが決定し、現在受講生を募集しているそうだ。