【恭加の「THEATRE for ALL 」感想文】第79回「義足の白鳥」
こんにちは。恭加 (きょうか) です。
恭加がご紹介する、バリアフリー オンライン劇場THEATRE for ALLの作品。
第79回は「義足の白鳥」です。
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この作品は、小児がんのひとつ、骨肉腫で左足を切断したマコさんが、パラクライミング世界選手権に挑んだドキュメンタリーである。
マコさんは幼稚園の庭で遊んでいる時に起きた事故で足が痛くなったことがきっかけで骨肉腫ができていることがわかり、人工骨を入れる手術をした。
体は成長するが、人工骨のサイズは変わらない。成長に伴い足の長さが左右で異なってくる。左足に補助をする器具をつけて生活していたが、左足の血管が詰まり、手術を繰り返すことに不安を感じ、人生で初めて死にたいと思った。いつまで続くかわからない痛みが苦しくて楽になりたいと思っていたとき、
同じ骨肉腫を患い、足を切断し義足を使う生活をしているあやかさんに出会う。
あやかさんは、義足になってできることが増えたこともあるという。
「義足は悪いもの、最終手段というイメージがあるが、こういう選択肢もあるというのって知らないのって不公平という気持ちが強かった。勧めるというよりはこういうのもあるということを伝えたかった」と語る。
これを聞いてマコさんは、
「こんな選択肢もあるんだと目から鱗で今まで自分は切断という選択肢を考えたこともなかった。考えていいことだとも思っていなかった。切断を選んでこんなにイキイキ過ごしている人がいるんだ、とわかったときに自分で自分の選択肢を決めつけ過ぎていたのかなと思った。
こんな色々な選択をして自分の生きたいように生きている人すごく素敵だなと思った」と語っていた。
足の切断や義足についてあまり知識のない私は、足を切断しなくてはいけない状態ではないにもかかわらず切断を決意する人がいることに驚いた。
しかし、手術を繰り返して痛みと戦う生活では出来ないことが多い中、義足を選択することで、できることが増えて生活水準が上がるのなら、義足も選択肢として考えてもよいのかもしれないと思った。
以前、義足の方のファッションショーの動画を見たことがある。
義足にお花の飾りがついていたり、銃のようなデザイン、カラフルな義足、ゴールドで華美な義足など、義足がファッションの一部になっていて、とても素敵だったのを強く記憶に残っている。
クライミングもファッションショーも障害の箇所が手、足、目などの特性によって取り組み方が変わる。
制限がある中でどう楽しみながらやりがいを持って向き合えるか。
そういう意味でファッションショーもクライミングも私にはある種同じ方向性を持っているように見えた。
マコさんはいつも笑顔で明るく柔らかい雰囲気を持つ素敵な女性だった。
今いる場所では決して満足せず今よりももっと上を目指し続けている。活き活きとしたマコさんを見ていると、自分ももっと頑張らなきゃと勇気をもらえた。
私もすぐ苦手と感じることから逃げたり苦手と決めつけて近寄らないようにしたりしがちで自分の可能性を自分で限定してしまっていることがある。
一見マイナスな選択がトータルで見るとプラスになることもあると教えられた気がした。