リアルタイム字幕提供
サニーバンクでは、より多くの人に正確な情報を届けるため、「リアルタイム字幕提供」のサービスを行っています。 リアルタイム字幕を提供することで、イベント・講演会・セミナーや、オンラインイベントの生配信・ウェビナーなどにおいて、話題に対する「アクセシビリティ」を大幅に向上することが可能になります。
リアルタイム字幕提供サービスとは?
リアルタイム字幕提供サービスは、オンラインイベント等での生配信や、オフラインでのトークイベント・セミナーの際、会話とほぼ同時に字幕の提供を行うサービスです。 UDトークというアプリを使い、話した言葉を音声認識技術を用いてリアルタイムで文字に変換させます。 UDトークの音声認識による文字変換は、精度が昔と比べて格段に上がりました。しかし機械なので誤認識が生じます。そこで弊社修正ワーカーが誤認識を修正し、より正確な文字情報の提供をいたします。
導入が可能なイベントの例
- ・オンラインイベント
- ・YouTube Liveなどの生配信
- ・ZOOM等のWeb会議サービスを用いた会議やウェビナー
- ・オフラインイベント(要音声提供)
- ・講演会・セミナー
- ・トークイベント
上記にとらわれず多岐にわたる対応が可能です。一度お問い合わせください。
(例:現地と配信、両方への字幕提供など)
【オプション】動画配信プラン
動画配信を弊社で受託し、配信される動画そのものに、リアルタイム字幕を組み込むこともできます。 また字幕画面のみ弊社から送出して、配信者側で組み込むなど、さまざまな対応が可能です。 技術面に関しても十分な打ち合わせの上、柔軟に対応致します。
【オプション】議事録プラン
配信ログをテキストデータとして出力し、議事録・会話ログとしてご活用いただけます。 会話ログの文章は手修正後のデータなので、容易に扱うことができます。
リアルタイム字幕提供サービスの意義
手話通訳があれば字幕は不要?
総務省発表の統計資料(平成13年)によれば、在宅の聴覚障害者(18歳以上)のうち、手話を利用している者は 15.4%であり、聴覚からの情報入手が困難な 1・2級の重度の障害者では手話の利用率は 23.0%と言われています。
聴覚障害者の方の4分の3以上が手話を理解できず、手話通訳士を配置すれば全ての聴覚障害者に情報が行き渡るとは限りません。
また、社会福祉法人聴覚障害者情報文化センターに登録されている手話通訳士は、2020年6月時点で3,826名です。
都道府県別では、佐賀県では8名にとどまっており、十分な人数が確保できている状況とは言えません。
聴覚障害者にとって手話通訳はもちろん有効な情報入手方法ですが、情報が保障される対象人数、提供するための通訳士数の両面から、他の情報保障手段も必要と言える状況です。
リアルタイム字幕提供のメリット
- 従来の要約筆記などと比べると以下のようなメリットがあります。
- ・圧倒的にコストが抑えられます
- ・遠隔地での修正が可能です
- ・早口な方も対応可能です
- ・話者の癖まで再現可能です
- ・スマホへの表示により好きな場所で楽しめます
- ・スクリーンへ投影することも可能です
- ・多言語対応が実現可能です(2020年6月現在150言語ほど)
- ・タイムラグがほとんどありません
アクセシビリティと字幕
近年、ITの分野では機器やソフトウェア、システム、情報などの分野において、「アクセシビリティ」(情報の利用しやすさ、アクセスのしやすさ)が求められるようになりました。
それに関連し、障害者差別解消法では、行政機関や民間企業等に対し「障害を理由とした不当な差別的取り扱いの禁止」と「合理的配慮の提供義務」が求められています。
また、ウェブアクセシビリティのガイドラインとして公示されているJIS 8341-3:2016では行政機関や民間企業に対し、自ら設定した達成基準(レベルA・AA・AAA)に基づくウェブコンテンツの企画、設計、制作・開発、確認、試験、保守・運用を求めています。
映像に字幕提供を行うことで、JIS 8341-3:2016のレベルAに該当する、細分箇条1.2.2キャプション(収録済み)を達成可能です。
リアルタイム字幕提供は、JIS 8341-3:2016のレベルAAに該当する、細分箇条1.2.4キャプション(ライブ)を達成可能です。 お客様のWebサイトにおけるアクセシビリティ向上に貢献いたします。
字幕は誰のもの?
字幕は聴覚障害者だけのため? 答えはNoです。
盲ろう者に字幕が提供できれば、点字読み取りの機器を使用することで、情報が共有できます。
視覚優位の発達障害者に文字を提供できれば、より深い理解が得られます。 日本語レベルに応じたルビを振ることができるため、お子様や日本語を勉強中の外国人にも大変好評です。
では健常者にとっては…? 公共交通機関を利用中・家族と一緒にいる時など、音声を出せない状況でも、話している内容が理解できます。 つまり、字幕は誰にとっても便利なものなのです。
UDトークを使用しながら動画を閲覧する環境例
リアルタイム字幕の活用事例
品川区成人式(2018年〜)
外国人が多い自治体の品川区。 多言語対応にて、第一言語とする言葉でも情報提供が実現し、参加者全員にお祝いを伝えることができました。
新コロナウイルス 緊急事態宣言 東京都知事会見(2020年4月〜6月)
東京動画にて配信されていた、都知事会見をリアルタイム字幕で実施しました。誰もが不安の最中、聴覚障害者や外国人も都知事からの最新情報を得ることができました。
サニーバンクにおける実施事例(ePARA2020)
実施方法・使用ツールについて
YouTubeで配信されたバリアフリーeSportsイベントePARA2020の実況中継をUDトークのアプリをインストールしていただき、字幕提供をしました。
UDトークで提供されたePARA2020の字幕サンプル
利用者の声
聴覚障害者のプレイヤーから大満足していただき、興奮冷めやらぬ様子で嬉しさを伝えてくださいました。 視聴者からも、新しい試みで面白いとの感想や、こういう取り組みは素晴らしいとの声をいただきました。
ワーカーの声(1) プロジェクトマネージャーT氏
私がこの仕事をしていて一番嬉しいことは、笑いをみんなと同じタイミングで共有してもらえた瞬間です。
一見当たり前のように感じるかもしれませんが、従来の要約筆記などの方法では遅延が生じるため不可能でした。
みんな笑ってる?なに?(遅れて)なんだこれか。
これを大変理不尽に感じていました。置いてけぼりは、何のことでも悲しい気持ちになりますよね。
どうせなら、同じ時間を一緒に感動し、笑い合いませんか?
ワーカーの声(2) 修正ワーカーT氏
私も周波数が狭い音声は、聞き取りづらくなる場合も増えてきました。
生物として避けることのできない老化ですが、人間は技術で感覚を拡張し、また補完することができます。字幕もその一つで、高齢者だけではなく聴覚障害者、外国人といった方々の理解の促進に寄与するものです。
リアルタイム字幕は、口語の多様性もあって、現時点で音声認識技術にすべてを任せることはできません。正確な表示を提供するためにはマニュアルでの修正作業が必要です。根気と集中力が必要な作業ですが、それを必要とする人々の役に立つものと考えています。
ワーカーの声(3) 修正ワーカーY氏
「誰にでも平等に情報提供する」
できていることのように見えて、本当は全然足りていないことに、この業務に関わって気づきました。
動画配信などの需要が高まる今だからこそ、少しでも情報提供のスキマを埋めることができる業務だと思います。
字幕の向こうで楽しんでくれる人がいる、伝わっているという実感が我々のやりがいでもあります。
ワーカーの声(4) 修正ワーカーO氏
これまで参加してきたイベントやセミナーで、リアルタイム字幕が提供されることが増えてきました。
私自身は聴覚障害ではありませんが、ちょっと聞き逃してしまった時に字幕を見返すことができる、音が出せない場所でも参加することができるなど、便利さを感じています。
字幕が提供されることで、聴覚障害者の方だけでなく、多くの方にとってより利用しやすくなることに気付きました。字幕があることでみんなが楽しめるイベントになります。ぜひ、広がって欲しいと思います。
※イベント等でUDトークを使用する際は、UDトークのイベント・短期利用プランを契約していただく必要があります。詳細はUDトーク イベント・短期プランをご覧ください。