【恭加の「 THEATRE for ALL 」感想文】2「落語ミュージカル「お菊の皿」金原亭世之介&RAGG」

2021年10月25日

和服の女性イメージ

こんにちは。恭加(きょうか)です。

エンタメ好きの恭加がご紹介する、バリアフリー オンライン劇場THEATRE for ALLの作品。

第2回は落語ミュージカル「お菊の皿」金原亭世之介&RAGG」です。(ネタばれあるかも。)


落語ミュージカル「お菊の皿」金原亭世之介&RAGG」


「1枚、2枚、3枚・・・・9枚まで聞いた者は狂い死ぬ。」

この作品は、落語家の金原亭世之介さんと、演奏家集団RAGGによる、落語とロック音楽がミックスされた「落語ミュージカル」である。

古典落語の演目の一つである「お菊の皿」を、バンド演奏と落語で表現するエンターテインメントであり、怪談「皿屋敷」のその後を描いた作品だ。


皿屋敷の井戸に、夜中になるとお菊さんが出てきてお皿を数えると聞いた主人公は興味をもち、数人で皿屋敷へ向かう。

お菊さんの声を9枚まで聞くと狂い死にすると噂されているため、主人公たちは6枚まで聞くと急いで逃げる。

お菊さんはとても美しく,「弟」と呼ばれる者が一目ぼれし、皿屋敷に通ってお菊さんを口説こうとする。

そして、「弟」は「お菊さんは幽霊だから自分も死んだら会える」と気づき、自ら井戸に落ちて死ぬ。

噂が広まり、美しいお菊さんを一目見ようと皿屋敷に多くの人が訪れるようになり、次第にお菊さんも観客に愛嬌を振りまく。

歌い、ショーをし、お菊さんはアイドルの様な存在になる。

だがある時、いつもの様にお菊さんの皿数えを聞き、6枚目で出ようとすると観客が多すぎて出られなくなる。

狂い死にすると噂された9枚の皿を数え観客は凍り付くが、10枚、11枚、12枚、、、と18枚まで数えてしまう。

驚いた主人公がなぜ18枚まで数えたかお菊さんに聞くと、「明日休みたいから2日分数えた」と話す。


皿屋敷は怖い話というイメージがあるが、この作品はコミカルに作られている。

また、落語のシーンと演奏に合わせて歌うシーンが混ざっており、落語の初心者でも楽しくみることができると思った。


お菊さんが愛嬌を振りまき、秋葉原からファンが来てお菊さんコールをするところは近代的に感じ、落語は古典という印象が変わった。

また、迫力のある演奏と、一人で何役もこなす落語はとても見ごたえがある。

落語とロックミュージックにギャップがありみていて面白く、新しい形の落語だと思った。


落語は一人で何役もやるため、声のトーンや話し方、話をする方向を役ごとに変える。ひとり芝居だが、今はだれの役をやっているのか明確に伝わるようにするのが落語の腕の見せ所だと思った。

また、18枚までお菊さんがお皿を数え、明日の分という落ちで終わるのがとても印象的だった。

皿屋敷というと恐ろしい幽霊のイメージがあるが、毎日毎日たくさんの観客が押し寄せ疲れたのか明日休むというお菊さんを誰が想像しただろうか。

起承転結がしっかりしていて、理解しやすい物語だった。


この作品はオリジナルの他に、日本語字幕版と英語字幕版がある。

字幕は役ごとに色分けされているため、今はだれの役なのかわかりやすい。

この作品には音声ガイドが無いが、落語は話(ことば)で物語を進めていくので、音声ガイドが無くても視覚障害者にも内容はしっかり伝わると思うが、

視覚障害者からすると話し方や声のトーンで役柄を聞き分けなくてはいけないのではないか、と、課題に感じた。


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