【恭加の「 THEATRE for ALL 」感想文】4「サカサマのパテマ」
こんにちは。恭加 (きょうか) です。
恭加がご紹介する、バリアフリー オンライン劇場THEATRE for ALLの作品。
4回目は初のアニメーション映画のご紹介、「サカサマのパテマ」です。
「サカサマのパテマ」
この作品は、かつて大規模な実験の失敗により、多くの罪人が空に落ちた世界に住む主人公エイジと、
サカサマな少女パテマが出会い、サカサマの世界を描いたアニメである。
数年前に事故で父親を亡くした主人公エイジは、中等部の寮を抜け出し空を見ていた時、サカサマの重力を持つ少女パテマに出会う。
パテマは「コウモリ人間」と呼ばれる治安警察に追われていた。
エイジはパテマを匿うが、治安警察に見つかってしまったパテマは連れ去られる。
かつて大規模な実験の失敗で地上のあらゆるものの重力がサカサマになってしまった。
そのため、多くの罪人は空に落ちたが、地底に逃げた者もいた。
その地底に逃げた者がパテマ達、地底で暮らすサカサマな人間たち=地底人だ。
地上の治安警察は地底人を罪深い人間として捕まえようとしていた。
エイジはパテマを探しに来た地底人のポルタに出会い、ポルタと一緒にパテマを助けに行く・・・と、物語は進む。
地底人のパテマと地上人のエイジ、サカサマの二人がお互いを信じ合い、協力し、諦めない姿に感動した。
エイジが学校に行くときは、みんな顔が無表情で暗かった。
空は罪人たちが落ちたところで不吉なため、空を見ると怒られる。
エイジは寮に入り、規律と秩序のある生活を強要され、ただロボットの様に授業を受けていた。
そんな生活をしていたエイジだからこそ、表情豊かなパテマに惹かれたのだろう。
エイジの暮らす地上は、まるで自由という言葉が無い世界のようにみえた。
学生も、働く大人も、自分を隠して、仮面を被っているような無表情で通勤通学をする。
サイレント・マジョリティーであり、コロナ渦前の、満員電車に揺られ毎日通勤する日本に似ている気がした。
そして、アニメの映像がとても綺麗だった。特に飛んでいるシーンが迫力があった。
この作品はオリジナルの他に、
話している言葉と話している人の名前・音楽や効果音等の音情報を文字にした日本語字幕版と、
それに視覚情報を声で説明をする音声ガイド+日本語字幕版の三種類ある。
日本語字幕は、会話をしている内容だけを字幕にするのではなく、誰が話したかも書いているため音を出さずに作品を観られる。今まで気づかなかったが、便利だと思った。
また、作品中、洋服で過去と現在を表現しているシーンがある。一度見た時にはその意図がわからなかったが、音声ガイド付きでみると、音声で、「子供のパテマ」と説明してくれるため意図を理解することができた。
音声ガイドの方では建物の名前等、細かいものの説明をしてくれるので、音声ガイド付きでみることで気づかなかった部分に気づかせてもらえた。