【恭加の「 THEATRE for ALL 」感想文】11「True Colors FASHION 身体の多様性を未来に放つダイバーシティ・ファッションショー」

2022年2月21日

「身体の多様性を未来に放つ ダイバーシティファッションショー」の文字。黒い画面の中央にカラフルな衣装で踊る人

こんにちは。恭加 (きょうか) です。

恭加がご紹介する、バリアフリー オンライン劇場THEATRE for ALLの作品。

今回は、「True Colors FASHION 身体の多様性を未来に放つダイバーシティ・ファッションショー」の感想です。

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この作品は身体の多様性をどう考える?というところをテーマに企画されたファッションショーの映像である。

ファッションショーを行った後にモデルと総合演出である落合陽一さんが対話をしていく。


参加モデルとして人気読者モデルとして多方面で活動をするりゅうちぇるさんの他、片腕が無い人、脚が無い人、目が見えない人、耳が聞こえない人等が参加しそれぞれの身体にあった洋服を身にまといショーを行う。


片腕が無い方でも着やすいトレンチコート、かわいいマタニティウェア、脚が無い方でも着ることができる和装等様々な身体に合わせた服が紹介されていた。

その中でも、肉腫で片腕を失った二人の女性が着ていたトレンチコートは今年よく見るフリルヨークトレンチコートの様なデザインで上半身にフリルのようなものがありとてもおしゃれだった。

片方の袖が短く、もう片方の袖は長く作られている。

見た目だけでなく、機能も重視されている。

「胸のあたりにある紐を引っ張ると袖がめくれたり、肩パットが入っているから肩がなくてもちゃんと着こなせるのが良い」とモデルの女性は話していた。

また、袖や首のボタンの部分がマグネットになっている洋服があった。

袖の部分のボタンを留めるのは健常者でも難しいが、マグネットにすることによって誰でも楽に早く着用することができる。

障害者だけでなく健常者にもメリットがあり、障害を持ってる持っていない関係なく着られる洋服だと思った。


この作品は障害を個性と捉えている。とても素敵な考え方だと思った。

海外でも障害を個性と捉えている国は多いが今の日本にはその考えはあまり浸透していないと思う。

総合演出の落合さんは「みんな違ってみんなどうでもいい」という考え方をしていると話していた。

障害者だからと特別扱いをするのではなく、いい意味で無関心でいるという考え方だ。

無関心といっても、腕が無い人を見て「あの人腕が無い」と思って見たりするのではなく、自分は自分人は人だと考える。

コロナ渦でマスクが必須になっている今、聴覚障害者にとって会話をすることが難しくなったそうだ。

会話中に必要な時だけマスクを取り、口元が見えるようにして話す。その一つの工夫で改善される。

相手が障害者であっても健常者であっても優しさを持って接することに違いは無い。大事なことはコミュニケーションの根底に「思いやり」がある上での無関心だと思った。

障害者がもっと住みやすい世の中になり、健常者と同じ接し方をみんなができる世の中になるといいと思った。


この作品は日本語字幕と英語字幕、手話通訳、音声ガイドに対応している。

UDCast(※)をダウンロードすると音声ガイドを聞くことができる。

鑑賞前の注意事項や説明等は字幕と音声ガイド付きで説明しているためわかりやすかった。

UDCastを使って実際に聞いてみると洋服の質感まで細かく説明してあり、目を瞑ってみてもファッションショーを想像することができた。

だが、ダンスの部分は説明だけではうまくイメージできなかった。

ダンスの様に動きを言葉で説明するのは難しく細かく説明すればするほど言葉の数が多くなり逆にわかりにくくなる。

これからの課題だと思った。


UDCast

音声ガイドや字幕を提供するアプリ


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