【恭加の「 THEATRE for ALL 」感想文】20「Shoki -鍾馗-」

2022年4月25日

SHOKIイメージ写真。鬼のお面をつけた人、白い装束の人が踊っている

こんにちは。恭加 (きょうか) です。

恭加がご紹介する、バリアフリー オンライン劇場THEATRE for ALLの作品。

早いもので連載20回目となりました。

いろいろな作品をご紹介していますが、お楽しみいただいていますでしょうか?

第20回は 「SHOKI ―鍾馗ー」の感想です。

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この作品は、島根県西部の岩見地域で継承される伝統芸能「岩見神楽(いわみかぐら)」の演目「鍾馗」をモチーフにした、

岩見神楽とコンテンポラリーダンスとのコラボレーション創作舞台だ。


中国の唐の時代の鬼の形をした疫病と、それを阻止する神の戦いの話だ。

疫病、皇帝を殺しこの国を混乱させるのが目的であり、

当時を仕切っていた玄宗皇帝の体に入り、玄宗皇帝は内臓を患ってしまう。


石見神楽は、室町時代頃から始まったものだといわれている。

600年程前から始まり、今も伝統として受け継いでそこになにか新しいものをプラスして、

次の世代にも知ってもらうきっかけを作っているのが考え深く、絶やしてはいけないと思った。


そしてコンテンポラリーダンスとは、テクニック、表現形態に共通の形式を持たない自由な身体表現のダンスである。

個々のからだを表現の元にした多様な手法を持ち、こうでなければいけないという決まりはない。

一言で言えば、コンテンポラリーダンスは、何でもOKなダンスだ。

何を組み合わせてどうつくってもいいから、「今までにないもの」を生み出すことができる。


この作品は、そんなコンテンポラリーダンスと石見神楽のコラボレーション作品だ。

石見神楽の、どこか懐かしい太鼓や笛のリアルな音、それに合わせたコンテンポラリーダンスは迫力がある。


コンテンポラリーダンスと石見神楽、名前は知っているがみたことないものやわかりづらいもの、

イメージがはっきりしていないもの同士が組むことによって、新たなものが生まれやすくなる。

そして、そういうものを一般のお客様に提示することによって間口が広がったり、

認知度が上がったりするといいと、今回の舞台の制作者は語る。


戦いのシーンでは、神も鬼もコンテンポラリーダンスを踊っていた。

神は白の衣装、鬼は黒の衣装の為、善と悪がわかりやすい。


また、マスクをして白衣を着た医者の様な人が二人出てくるシーンがある。

そこで二人が踊るダンスの振りに、手洗いをする振りや注射を打つ振りがあった。

これは手洗いが徹底され、ワクチン接種が広まるコロナ渦の今をイメージして作ったシーンではないのかと思った。

室町時代から続く石見神楽の疫病を題材にした「鍾馗」を使い、

現代の流行であるコロナを織り交ぜて作っているのがとても印象的だった。

ただ、二人はなにか会話をしているのだが、その部分に音は無く、

マスクをしている為口元も見えず、何を話しているのかわからなかった。


またこの作品は、日本語字幕の現代語だけでなく、古語版の日本語字幕もみることができる。

また、英語文字もある為、日本の伝統芸能を、海外の方もみて楽しむことができるのはとてもいいと思った。

ただ、ダンスのシーンが多いのにも関わらず、音でのダンスの説明が無いため、

目の見えない方には、笛や太鼓の音と、足音しかわからないのが残念だった。


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