サニーバンク リモートアシスト座談会
サニーバンクが会員に提供している仕事のひとつに「リモートアシスト」があります。
「リモートアシスト」とは、視覚に障害などがある利用者が装着したウェアラブルカメラを通じて送られてきた映像を確認しながら、リアルタイムで書類を代読したり、映像情報を音声で説明するするなどのサポートをするサービスです。
去る6月22日、サニーバンクではこの「リモートアシスト」のサポーター業務に携わる6名のサニーバンクに登録してるワーカー様と株式会社リモートアシストの藤井様を交え、意見交換などを行う座談会を開催しました。
サニーバンクでリモートアシスト業務を開始して1年間が経過しますが、サポーター業務を行うワーカー様たちが座談会などで意見交換をするのは初めてのこととなります。
なお、座談会はワーカー様全員がリモートワークであること、新型コロナウイルスの影響があることなどのから、完全オンラインでの開催となりました。
リモートアシスト座談会参加者
「リモートアシスト」で活躍するサニーバンクのワーカーは、全員が身体障害や精神障害などの障害があり、自宅からリモートアシスト業務を行なっています。リモートアシストを利用を希望する方も、日本全国各地からリモートアシストにコールすることで、どこでもサポートを依頼することができます。
※プライバシーの観点から、サポーターにはサポート内容等について守秘義務が科せられています。今回は、利用者のプライバシーに配慮し、利用者が特定されない範囲での情報共有としました。
こんなサポートをしています
座談会では、まず、具体的にどのようなサポートをしているのか伺いました。
買い物のサポート(サポーターAさん)
コンビニで買い物をする際に商品を選ぶお手伝いをしたことがあります。画面に示されたおにぎりの中身を読み上げたり、利用者が伝えてきた欲しい商品を棚のどこにあるか言葉で伝えます。自分が住んでいる地域のコンビニにはない商品が並んでいたりして、楽しかったです。
手紙の代読(サポーターBさん)
手書きの手紙を代わりに読み上げるサポートをしました。達筆な手書きの文字で、読めない漢字があったらどうしようなどと心配もしましたが、なんとか最後まで読むことができて、利用者にお礼を言われて嬉しかったです。視覚障害者の方は、印刷された文字は自分でアプリなどを使って読むことができるけれど、手書きの文字はアプリでは読むのが難しい場合があるので、お役に立ててよかったと思いました。
長さを測る(サポーターCさん)
メジャーで物の長さを測るお手伝いをしました。メジャーを当てるところまではうまくいったのですが、目盛りを読むのが少し大変でした。カメラに映っている目盛りを見やすくするために、カメラをどう動かしてほしいのかを言葉だけで説明するのが難しかったです。最後に長さを測れて喜んでいただけた時には、共同作業で目的を達成することができた感じがあり、自分も嬉しい気持ちになりました。
困ったこと、気づいたこと
座談会ではリモートアシストを行うサポーター同士として困ったことや気づいたことなどについての情報交換も活発に行われました。
距離感や方向の伝え方
サポート業務は利用者から送られてくる映像がはっきり見えないと、サポートを行うことが難しくなります。視覚障害のある方に、カメラの向きを変えたり、カメラに映す被写体を動かして欲しい時に、どのように伝えるか悩むことがあるようです。
サポーターからは「ウェアラブルカメラをしっかり装着してもらうと見やすくなる」「リアルタイムの動画だと判別が難しい場合は静止画にすると見やすくなる場合がある」「『ご自分の方に引いてください』のような、利用者の方を基準とした伝え方にするとわかってもらえることがある」など、これまでにうまくいったやり方や工夫していることなどを共有することができました。
緊急時の対応
利用者の方に緊急事態が発生するなどのトラブルがあった時の対応について、マニュアルはあるが不安に感じているという意見がありました。これまではそのようなトラブルが発生したことはありませんが、株式会社リモートアシストの藤井様より緊急時の対応について説明と質疑応答がありました。その結果、サポーター向けの「ホットライン」が設置されているなどのサポートがあることがわかり、サポーターの方々も安心できたようです。
サニーバンクワーカーの声
座談会の最後では、リモートアシストサポーターをやってみてよかったことなどの感想を伺いました。
コールが入るのが楽しみになった(サポーターDさん)
はじめはコールがあるとドキドキしましたが、地理的に遠く離れた方からサポートの依頼があったりして、最近はどんなサポート依頼があるのか楽しみになってきました。
「ありがとう」と言われると嬉しい(サポーターEさん)
やはり、使用者から「ありがとう」と言ってもらえるとお役に立てたんだと思えて嬉しいです。カメラをうまく動かして映像を送ってもらいながらのサポートなので、サポートを完了した時には、「こちらこそありがとう」という気持ちになることもあります。やはりだれかの役に立てるというのはやりがいがあると思います。
お役に立てるのなら続けたい(サポーター Fさん)
初めの頃は、自分にどこまでサポートできるだろう?これでいいのかな?と思いながらやっていましたが、商品の種類を示したり、かわりに文字を読み上げることなど、自分にできることでお役に立てるのなら、続けていきたいと思いました。
リモートアシスト座談会を終えて
今回の座談会は、サニーバンクのサポーター同士が初めて顔を合わて話し合う機会となりました。同じ仕事を行う仲間と情報交換を行い、業務を行う中で不安に感じていることを解消し、うまくいった事例などを共有する良い機会となりました。
また、株式会社リモートアシスト 藤井様から「他にもお困りごとはありませんか?と言ってもらえてうれしかった」「自分では気付けなかった大事な情報に気付いてくれて、読み上げてもらえて助かった」などと利用者から感謝の声を届けていただきました。
このことで、サポーターの皆様が利用者のお役に立てていること、やりがいのある仕事であることを再確認できたのではないかと思いました。